動画は「撮るもの」から「作るもの」へ変わりつつあるのですが、その作る作業すら、もはや人間が手を動かす必要がなくなり始めてきています。
というのも、Googleが公開した新しいAIは、文字で指示するだけで動画を生成・編集できるようで、これまで専門スキルだった領域が、一気に一般人の手に降りてきましたね。
Gemini Omniとは何か
今回話題になっているのは、会話ベースで動画を作れるAI。
「こういう動画を作りたい」と文章で伝えるだけでというもので、例えば 「夕焼けの海で走る女性の短い映像、感動的な雰囲気で」 と入力すれば、それに沿った映像が生成されるのだそうですよ。
さらに凄いのは、修正も会話でできる点で「もう少し明るく」「テンポを速く」といった細かな調整も、文章で指示できるのだとか。
そもそも、これまでの動画制作においては大きく3つの壁があって、撮影機材の調達や編集ソフトの操作、そして映像に一番関わってくる構成力や演出力など素人からすれば、ハードルの高いものだったのですが、今回のAIは、このうち少なくとも「操作」と「制作工程」をほぼ消してくれます。
つまり「どう作るか」ではなく「何を作りたいか」だけ考えればいい状態に近づいていて、もはや映画監督や脚本家のように動画制作におけるトップレベルの存在になれるわけです。
映画監督や脚本家というとかなり大袈裟かもしれませんが、結局は、どんなものを作りたいのかのアイディアさえあればいいんです。
撮影や編集などのプロの技術が必要なものにまで首を突っ込む必要がなくなり、「作る側のハードル」が一気に消えています。
これまで動画は「編集できる人」「時間をかけられる人」のものだったのですが、これからは「アイデアを言語化できる人」「試行回数を回せる人」が圧倒的に有利になるでしょうし、副業でSNS運用をしている人なら、 1本の動画を数時間かけて作る代わりに、 AIで10本試して反応を見るといった動きが現実的になります。
「料理」に例えると、 昔は料理人だけがレストランの料理を作れたのですが、今では冷凍食品やレシピ動画などを頼れば、誰でもそれなりの料理が作れるようになっていますよね。
動画制作もこれと同じで「包丁さばき(編集技術)」は必要なく、「何を作るか(発想)」さえしっかりしていれば、誰でもが簡単に参入できるというわけです。
実際の実用化については、すでに一部では使える状態にあるようで、今後は数年単位ではなく、もっと短いスパンで一般化していく可能性が高いですし、ひょっとしたら明日にでも一気にレベルがアップしているなんてことも・・・。
現時点では、細かい調整の精度、意図通りにならないケースなどの課題は残っているようですが、完全に人間不要になるというより 「人間の役割が変わる段階」にあると見るほうが現実的でしょうね。
とはいえ、便利になる一方で、気をつける点もあって「誰でも作れる」ということは「差がつきにくくなる」 と言ったことにも繋がり、似たような動画が無数に増えていくでしょう。
それにより情報の信頼性が見えにくくなるうえ、技術そのものより「どう使うか」が問われる場面が増えてきそう。
動画制作は「スキルの世界」から「指示の世界」へ移り始めているとはいえ、それは誰でも成功できるという意味ではなく、 何を作るかを考える力がより重要になるという変化でもあります。
動画を作れるかどうかではなく「どんな動画を作らせるか」が競争の軸になっていくことでしょう。
